障害者雇用で相談記録を残すメリット|配慮の話し合いを次につなげる書き方と注意点

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障害者雇用で働いていると、上司、人事、障害者雇用担当者などへ、業務内容、体調、勤務時間、休憩、通勤、職場で必要な配慮について相談することがあります。しかし、面談後に「何を伝えたか」「どのような対応を試すことになったか」「次はいつ確認するのか」が曖昧になると、同じ説明を何度も繰り返したり、認識のずれが生じたりすることがあります。

こうした時に役立つのが、相談記録です。相談記録とは、面談やメール、チャットなどで話した内容を、自分用に簡潔に残すメモのことです。正確な議事録を一人で作る必要はありません。困っている場面、伝えたこと、決まったこと、次に確認することを整理するだけでも、次の相談や配慮の見直しにつなげやすくなります。

障害者雇用で相談記録を残すメリット

相談記録の一番の目的は、会社を責めるための証拠を集めることではありません。本人と職場が同じ方向を向き、働きやすい方法を試して見直すための情報を整理することです。

JEEDには、面談記録票を活用し、社員の状態や希望に応じて面談を行い、支援を見直す取組事例があります。[1] 記録があると、前回の相談内容を振り返りやすく、体調や業務の変化に気づくきっかけにもなります。

例えば、同じ「仕事が忙しい」という相談でも、いつ、どの業務で、どのような影響が出たのかが分かると、上司も対応を考えやすくなります。「月末の入力作業が重なると、確認作業の時間が不足する」「会議の直後は指示を整理する時間が必要」といった具体的な情報があれば、優先順位、業務量、締切、休憩の取り方などを調整する話し合いにつながります。

相談後に残しておきたい5つの項目

相談記録は、長文にする必要はありません。次の5項目を短く残すだけでも十分です。

項目記録する内容記入例
日時・相談相手いつ、誰と話したか8月25日/直属の上司、人事担当者
困っている場面業務・環境・時間帯など、具体的な状況会議後に口頭の指示が続くと、作業の優先順位を整理しにくい
自分が伝えた希望試したい配慮や働き方会議後に決定事項をチャットで共有してほしい
話し合った内容会社側の回答、試す対応、担当者次回から上司が決定事項を投稿し、2週間試す
次の確認日振り返る時期と確認したいこと9月10日に、投稿内容と業務への影響を面談で確認

特に大切なのは、「相談した」という事実だけで終わらせず、次に誰が何をするのかを残すことです。話し合いの途中で結論が出なかった場合も、「人事が通勤規程を確認する」「自分は困る場面を1週間メモする」など、次の行動を決めておくと進めやすくなります。

本人用メモと会社の公式記録は分けて考える

相談記録には、本人が自分のために残すメモと、会社が人事・労務上の記録として保管する文書があります。両者は目的や取扱いが異なるため、分けて考えましょう。

本人用のメモは、次回の相談で説明しやすくするための整理です。手帳、スマートフォン、パソコン、メールの下書きなど、自分が管理しやすい方法で構いません。自分の体調や業務の変化を振り返り、伝えたいことをまとめるために使います。

一方、会社が作成する面談記録や配慮に関する記録は、社内の個人情報管理や文書管理のルールに従います。会社に記録を残してもらう場合は、誰が閲覧するのか、どこに保管するのか、どの範囲の情報を記載するのかを確認すると安心です。

個人情報・共有範囲で気をつけたいこと

相談記録には、障害特性、体調、通院、服薬、家庭の事情など、個人的な情報が含まれることがあります。働くうえで必要な配慮を相談するために、すべての情報を職場へ伝える必要はありません。業務上困る場面と、必要な対応を中心に整理しましょう。

厚生労働省は、雇用分野における合理的配慮について、必要な措置を講じることや、指針・Q&A・事例集を案内しています。[2] 配慮の内容を共有する時は、本人の意向を確認し、業務上直接関わる人に必要な範囲で伝えることが重要です。

たとえば、「診断名をチーム全員に伝える」のではなく、「急な予定変更はチャットでも共有してほしい」「体調確認の面談は月1回行いたい」といった業務に必要な情報に絞る方法があります。共有する前に、「この内容は誰に伝わりますか」「どのような記録として残りますか」と確認しましょう。

記録を次の相談・配慮の見直しに活かす方法

相談記録は、残すこと自体が目的ではありません。一定期間後に見返し、試した対応が働きやすさにつながったかを確認することが大切です。

振り返る時は、「困る場面は減ったか」「業務の進め方は分かりやすくなったか」「新しい負担は出ていないか」「次に変えたいことはあるか」を確認します。うまくいかなかった場合も、失敗ではありません。時間帯、頻度、連絡方法、担当者などを少しずつ変えながら、自分に合う方法を探していきましょう。

また、上司の異動、業務変更、勤務時間の変更、在宅勤務への切替などがあった時にも、過去の記録が役立ちます。今までどのような配慮を試し、何が働きやすさにつながったかを整理しておけば、新しい担当者へ必要なことを伝えやすくなります。

相談記録の簡単なテンプレート

以下は、本人用に使えるシンプルなテンプレートです。必要な項目だけを選んで使ってください。

相談日:
相談相手:
困っている場面:
自分が伝えたこと・希望:
話し合った内容:
試す対応・担当者:
次に確認する日:
振り返りメモ:

面談後に、この内容をメールで「本日の相談内容について、次のように理解しています」と簡潔に送る方法もあります。相手に送る時は、感情的な表現よりも、事実と次の行動を分けて書くと確認しやすくなります。

まとめ:相談記録を、働きやすさを見直すためのメモにしよう

障害者雇用で相談記録を残すと、困っている場面、伝えた希望、合意した対応、次の確認日を整理でき、配慮の話し合いを次につなげやすくなります。本人用のメモと会社の公式記録は目的が異なるため、個人情報や共有範囲にも注意しましょう。

完璧な記録を作る必要はありません。日時、困りごと、話した内容、次の行動を短く残し、一定期間後に振り返ることから始めてみてください。記録を活用しながら、上司や人事と働きやすい方法を見直していきましょう。

参考文献

  1. 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「面談記録票を活用したメンタルヘルスケア対策」
  2. 厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」
いろとりどり編集部

この記事の監修・運営

就労継続支援B型 いろとりどり編集部

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