障害者支援川崎市 サービス・手当・施設・相談窓口完全ガイド

はじめに

川崎市にお住まいの障害のある方、またはそのご家族にとって、「どんな支援が受けられるのか」「どこに相談すればいいのか」「手続きはどうすればいいのか」といった疑問は尽きないと思います。川崎市は、政令指定都市として独自の障害者支援制度を持ち、充実したサービスを提供しています。

川崎市には、障害者を支援する様々な制度・サービスがあります。障害福祉サービス、医療費助成、手当、就労支援、相談窓口など、多岐にわたる支援を利用することで、より充実した生活を送ることができます。

本記事では、川崎市の障害者支援の全体像、各種サービス、手当・助成制度、相談窓口、施設、そしてよくある質問まで、詳しく解説します。

川崎市の障害者支援の特徴

政令指定都市としての独自性

川崎市は政令指定都市 

  • 障害福祉に関する権限が市にある
  • 独自の制度を設けている
  • きめ細かいサービスを提供

7つの区ごとの支援体制

川崎市の7区 

  1. 川崎区
  2. 幸区
  3. 中原区
  4. 高津区
  5. 宮前区
  6. 多摩区
  7. 麻生区

各区に 

  • 区役所(障害者支援担当)
  • 地域みまもり支援センター
  • 地域包括ケアシステム

川崎市の障害者数(2023年度)

身体障害者手帳所持者  約39,000人

療育手帳所持者  約12,000人

精神障害者保健福祉手帳所持者  約18,000人

合計  約69,000人(市民の約4.5%)

障害者手帳の取得

障害者支援を受けるための第一歩は、障害者手帳の取得です。

1. 身体障害者手帳

対象  身体に永続する障害がある方

等級  1級〜6級(1級が最重度)

対象となる障害 

  • 視覚障害
  • 聴覚・平衡機能障害
  • 音声・言語・そしゃく機能障害
  • 肢体不自由
  • 内部障害(心臓、腎臓、呼吸器、膀胱・直腸、小腸、免疫、肝臓)

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

必要書類 

  • 申請書
  • 指定医師の診断書(所定の様式)
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • マイナンバー関連書類

交付期間  申請から約1〜2か月

2. 療育手帳(愛の手帳)

対象  知的障害のある方

程度 

  • A1(最重度)
  • A2(重度)
  • B1(中度)
  • B2(軽度)

判定  川崎市発達相談支援センターまたは神奈川県児童相談所で判定

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

必要書類 

  • 申請書
  • 写真
  • マイナンバー関連書類

手続きの流れ 

  1. 区役所で申請
  2. 判定機関で面接・検査
  3. 判定
  4. 手帳交付

3. 精神障害者保健福祉手帳

対象  精神疾患により、長期にわたり日常生活または社会生活に制約がある方

等級  1級〜3級(1級が最重度)

対象となる疾患 

  • 統合失調症
  • うつ病、双極性障害
  • てんかん
  • 発達障害
  • 高次脳機能障害
  • その他の精神疾患

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

必要書類 

  • 申請書
  • 診断書(初診日から6か月以上経過後)または障害年金証書のコピー
  • 写真
  • マイナンバー関連書類

有効期間  2年(更新が必要)

交付期間  申請から約2か月

障害福祉サービス

川崎市では、障害者総合支援法に基づく様々な障害福祉サービスを提供しています。

サービスの種類

介護給付 

  • 居宅介護(ホームヘルプ)
  • 重度訪問介護
  • 同行援護
  • 行動援護
  • 療養介護
  • 生活介護
  • 短期入所(ショートステイ)
  • 重度障害者等包括支援
  • 施設入所支援

訓練等給付 

  • 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型
  • 就労定着支援
  • 自立生活援助
  • 共同生活援助(グループホーム)

地域生活支援事業 

  • 移動支援
  • 日中一時支援
  • 日常生活用具給付
  • 意思疎通支援(手話通訳者派遣など)
  • その他

サービス利用の流れ

ステップ1  相談 各区役所の高齢・障害課または障害者相談支援センターに相談

ステップ2  申請 サービス利用申請書を提出

ステップ3  調査

  • 認定調査員が訪問調査
  • 障害支援区分の判定(介護給付の場合)

ステップ4  サービス等利用計画の作成

  • 相談支援専門員が作成(推奨)
  • またはセルフプラン

ステップ5  支給決定

  • サービスの種類、支給量が決定
  • 受給者証が交付

ステップ6  事業所と契約 サービスを利用したい事業所と契約

ステップ7  サービス利用開始

利用者負担

原則  サービス費用の1割負担

負担上限月額 

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)9,300円
一般2市町村民税課税世帯(所得割16万円以上)37,200円

川崎市独自の軽減措置  一定の条件で、さらに軽減される場合があります。

主な事業所

生活介護  市内に約100か所

就労継続支援B型  市内に約150か所

グループホーム  市内に約200か所

事業所の探し方 

  • WAM NET(ワムネット)で検索
  • 各区役所で相談
  • 障害者相談支援センター

医療費助成制度

1. 重度障害者医療費助成制度(マル障)

対象者  川崎市に住所があり、以下のいずれかに該当する方

  • 身体障害者手帳1級・2級
  • 療育手帳A1・A2
  • 精神障害者保健福祉手帳1級
  • 国民年金法施行令別表に定める1級程度の障害

助成内容  健康保険の自己負担分を助成

自己負担 

  • 入院 1日1,200円(上限月額12,000円)
  • 通院 1回200円(上限月額8,000円)
  • 院外処方 無料

所得制限  あり(本人の所得が一定額以下)

申請先  各区役所 保険年金課

必要書類 

  • 申請書
  • 障害者手帳
  • 健康保険証
  • 所得証明書(必要に応じて)

有効期間  10月1日〜翌年9月30日(毎年更新が必要)

2. 小児医療費助成(小児ぜん息等医療費支給制度)

対象  18歳未満で気管支ぜん息等の疾患がある児童

助成内容  保険診療の自己負担分を助成

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 地域支援課

3. 自立支援医療

種類 

  • 精神通院医療
  • 更生医療(18歳以上)
  • 育成医療(18歳未満)

自己負担  原則1割(上限あり)

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

手当・年金制度

1. 特別障害者手当

対象  20歳以上で、著しく重度の障害により、日常生活において常時特別の介護を必要とする方

金額  月額27,980円(2024年度)

支給月  2月、5月、8月、11月

所得制限  あり

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

2. 障害児福祉手当

対象  20歳未満で、重度の障害により、日常生活において常時介護を必要とする児童

金額  月額15,220円(2024年度)

支給月  2月、5月、8月、11月

所得制限  あり

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

3. 特別児童扶養手当

対象  20歳未満で、精神または身体に障害のある児童を養育している父母等

金額 

  • 1級 月額55,350円
  • 2級 月額36,860円

支給月  4月、8月、11月

所得制限  あり

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

4. 心身障害者扶養共済制度

概要  保護者が掛金を納付し、保護者が亡くなった後、障害者に年金を支給

加入条件 

  • 障害者の保護者
  • 65歳未満
  • 特別の疾病または障害がない

年金額  1口 月額20,000円(2口まで加入可)

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

5. 障害年金

種類 

  • 障害基礎年金
  • 障害厚生年金

金額 

  • 障害基礎年金1級 年額約102万円
  • 障害基礎年金2級 年額約82万円
  • 障害厚生年金 報酬比例+上記

申請先 

  • 障害基礎年金 各区役所 保険年金課
  • 障害厚生年金 年金事務所(川崎年金事務所など)

その他の助成・割引制度

1. 福祉タクシー利用券

対象 

  • 身体障害者手帳1級・2級の一部
  • 療育手帳A1・A2
  • 精神障害者保健福祉手帳1級

内容  タクシー利用券を年間60枚交付(1枚500円)

選択制  福祉タクシー利用券またはガソリン券

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

2. ガソリン券

対象  福祉タクシー利用券と同じ

内容  ガソリン券を年間60枚交付(1枚500円)

注意  福祉タクシー利用券とガソリン券は、いずれか一方のみ

3. 自動車燃料費助成

対象 

  • 身体障害者手帳1級・2級(下肢・体幹機能障害は3級も含む)
  • 療育手帳A1・A2
  • 精神障害者保健福祉手帳1級

内容  1リットルあたり20円助成(上限月額3,000円)

注意  福祉タクシー利用券・ガソリン券との併給不可

申請先  各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

4. 公共交通機関の割引

鉄道 

  • JR、私鉄 5割引
  • 第1種身体・知的障害者 介護者も5割引

バス 

  • 市バス 無料(身体1〜3級、知的A・B1、精神1級)
  • 民営バス 5割引

航空機  割引あり(各航空会社)

有料道路  割引あり(事前登録必要)

5. NHK受信料の減免

全額免除  世帯全員が市町村民税非課税で、障害者がいる世帯

半額免除  世帯主が視覚・聴覚障害者、重度障害者(身体1・2級など)

申請先  各区役所で証明書を取得後、NHKに申請

6. 携帯電話料金の割引

各携帯電話会社  障害者向け割引プランあり

確認  各社のホームページまたは店舗

7. 税の減免・控除

所得税・住民税 

  • 障害者控除 所得税27万円、住民税26万円
  • 特別障害者控除 所得税40万円、住民税30万円
  • 同居特別障害者控除 所得税75万円、住民税53万円

自動車税・自動車取得税  減免あり(条件あり)

申請先 

  • 所得税 確定申告
  • 住民税 年末調整または確定申告
  • 自動車税 神奈川県税事務所

相談窓口

1. 各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課

役割  障害福祉サービスの申請、障害者手帳の交付、各種手当の申請など

所在地・電話番号 

川崎区 

  • 住所 川崎市川崎区東田町8番地 パレールビル7階
  • 電話 044-201-3277

幸区 

  • 住所 川崎市幸区戸手本町1丁目11番地1
  • 電話 044-556-6648

中原区 

  • 住所 川崎市中原区小杉町3丁目245番地
  • 電話 044-744-3265

高津区 

  • 住所 川崎市高津区下作延2丁目8番1号
  • 電話 044-861-3252

宮前区 

  • 住所 川崎市宮前区宮前平2丁目20番地5
  • 電話 044-856-3302

多摩区 

  • 住所 川崎市多摩区登戸1775番地1
  • 電話 044-935-3263

麻生区 

  • 住所 川崎市麻生区万福寺1丁目5番1号
  • 電話 044-965-5159

2. 川崎市障害者相談支援センター

役割  障害者やその家族からの相談に応じ、必要な情報提供や助言、サービス調整など

各区に設置  詳細は各区役所または川崎市ホームページで確認

3. 川崎市発達相談支援センター

対象  発達障害(またはその疑い)のある方とその家族

所在地 

  • 川崎市川崎区砂子1丁目7番4号 砂子平沼ビル6階
  • 電話 044-223-3304

サービス 

  • 相談支援
  • 発達検査
  • 療育手帳の判定

4. 川崎市精神保健福祉センター

対象  精神保健福祉に関する相談

所在地 

  • 川崎市川崎区宮本町6番地 明治安田生命ビル4階
  • 電話 044-200-3195

サービス 

  • 精神保健福祉相談
  • ひきこもり相談
  • 依存症相談
  • こころの電話相談

5. 川崎市障害者就業・生活支援センター

役割  障害者の就労支援と生活支援

所在地 

  • だいJOBセンター(川崎区)
  • ストラーダ(高津区)

サービス 

  • 就労相談
  • 職場定着支援
  • 生活支援

6. 川崎市社会福祉協議会

役割  地域福祉の推進

所在地  川崎市中原区上小田中6丁目22番5号 川崎市総合福祉センター内

電話  044-739-8710

サービス 

  • 福祉相談
  • ボランティア活動支援
  • 生活福祉資金貸付

施設・事業所

1. 川崎市総合福祉センター(愛称 エポックなかはら)

所在地  川崎市中原区上小田中6丁目22番5号

施設 

  • 体育館
  • プール
  • トレーニング室
  • 会議室
  • 福祉図書コーナー
  • レストラン

利用  障害者手帳所持者は無料または割引

2. 川崎市視覚障害者情報文化センター

所在地  川崎市川崎区堤根34番地15

サービス 

  • 点字図書、録音図書の貸出
  • 対面朗読
  • 生活相談

3. 川崎市聴覚障害者情報文化センター

所在地  川崎市中原区井田三舞町14番地16

サービス 

  • 手話通訳者の派遣
  • 要約筆記者の派遣
  • 字幕付きDVDの貸出

4. 各区の地域療育センター

役割  障害児の早期発見、療育、相談

7区すべてに設置

5. 生活介護・就労支援事業所

市内に多数  各区役所、WAM NETで検索

川崎市独自の取り組み

1. 障害者差別解消条例

制定  2016年

内容 

  • 障害を理由とする差別の解消
  • 合理的配慮の提供義務
  • 相談・紛争解決体制

2. 川崎市障害福祉計画

第7期計画(2024〜2026年度)

基本理念  「誰もが安心して自分らしく暮らせる地域社会の実現」

重点施策 

  • 地域生活支援の充実
  • 就労支援の強化
  • 相談支援体制の整備

3. パーソナルアシスタンス制度(PA制度)

概要  重度訪問介護の拡充

対象  重度の肢体不自由者等

内容  長時間の介護サービス

4. 移動支援事業の充実

川崎市独自 

  • 通年かつ長期にわたる外出の支援
  • グループでの支援

情報の入手方法

1. 川崎市ホームページ

URL  https //www.city.kawasaki.jp/

検索  「障害福祉」で検索

2. 川崎市障害福祉のしおり

配布  各区役所、障害者相談支援センター

内容  障害福祉サービス、手当、施設などの総合案内

3. 川崎市コールセンター

電話  044-200-3939

受付時間  8 00〜21 00(年中無休)

内容  市政全般に関する問い合わせ

よくある質問(FAQ)

Q1  川崎市に引っ越してきました。他市で取得した障害者手帳はそのまま使えますか?

A  引っ越し後、住所変更の手続きが必要です。各区役所の高齢・障害課で手続きしてください。

Q2  重度障害者医療費助成は、どこの病院でも使えますか?

A  神奈川県内の医療機関で使えます。県外の場合は、一旦自己負担し、後で償還払いの手続きが必要です。

Q3  福祉タクシー利用券とガソリン券、両方もらえますか?

A  いいえ。どちらか一方のみです。年度ごとに選択できます。

Q4  障害福祉サービスを利用したいのですが、どこに相談すればいいですか?

A  各区役所の地域みまもり支援センター 高齢・障害課、または障害者相談支援センターに相談してください。

Q5  就労継続支援B型事業所を探しています。

A  WAM NETで「川崎市」「就労継続支援B型」で検索できます。また、各区役所や障害者就業・生活支援センターでも相談できます。

Q6  精神障害者保健福祉手帳で、バスは無料ですか?

A  1級の方は、川崎市バスが無料です。民営バスは5割引です。

Q7  障害者手帳を持っていませんが、サービスは受けられますか?

A  多くのサービスは手帳が必要ですが、一部のサービスは医師の診断書等で利用できる場合もあります。まずは相談してください。

Q8  川崎市から他市に引っ越す場合、手当の受給はどうなりますか?

A  川崎市での受給は終了します。引っ越し先の自治体で改めて申請が必要です。

Q9  障害者差別を受けた場合、どこに相談すればいいですか?

A  川崎市では、各区役所や川崎市障害者差別相談窓口(電話 044-200-2271)で相談できます。

Q10  グループホームに入りたいのですが。

A  各区役所の高齢・障害課または障害者相談支援センターに相談してください。空き状況や見学の手配などをサポートしてくれます。

まとめ 川崎市の障害者支援を活用しましょう

川崎市にお住まいの障害のある方へ

川崎市の主な支援

  1. 障害福祉サービス
    • 生活介護、就労支援、グループホームなど
  2. 医療費助成
    • 重度障害者医療費助成(マル障)
  3. 手当
    • 特別障害者手当、障害児福祉手当、特別児童扶養手当
  4. その他の助成
    • 福祉タクシー利用券、ガソリン券、公共交通機関割引
  5. 充実した相談窓口
    • 各区役所、障害者相談支援センターなど
  6. 施設
    • 総合福祉センター、情報文化センターなど

大切なポイント

  1. まずは相談
    • 各区役所の高齢・障害課へ
  2. 障害者手帳の取得
    • 多くのサービスに必要
  3. 様々な支援を組み合わせる
    • 一つだけでなく、複数利用可能
  4. 定期的に情報を確認
    • 制度は変わることがあります
  5. 分からないことは聞く
    • 遠慮せず、窓口で相談
  6. 権利を活用する
    • 使える制度は積極的に利用

相談先(再掲)

各区役所 地域みまもり支援センター 高齢・障害課 川崎市コールセンター 044-200-3939

最後に

川崎市には、障害のある方を支援する充実した制度とサービスがあります。

一人で悩まず、まずは相談してください。各区役所や障害者相談支援センターの職員が、丁寧にサポートしてくれます。

制度は複雑に感じるかもしれませんが、一つずつ確認していけば大丈夫です。

あなたとご家族が、必要な支援を受けて、より充実した生活を送れることを心から願っています。

川崎市の支援を活用して、自分らしく生きましょう。

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